以前この記事で、「ナルコレプシー」の基礎的な情報をお伝えしました。
ナルコレプシーとは、日中の会議中や運転中などにも関わらず、突然睡魔が襲ってきて起きていられなくなるなどの症状が特徴の、主に10代に発症する可能性が高い睡眠障害でしたね。
さて、このナルコレプシーですが、紹介した症状にいくつか心当たりがあり、
「もしかして私はナルコレプシー…?」と思った方もいるかもしれません。
しかし、単に「昼間に眠くなる」からと言って、ナルコレプシーだと決め付けることはできません。
単純に睡眠不足なのかもしれませんし、ナルコレプシー以外の睡眠障害の可能性もあります。
ということで、この記事ではより詳しいナルコレプシーの具体的な症状をご紹介し、
ご自分がナルコレプシーなのか否かの判断を手助けをできたらと思います。
目次
ナルコレプシーの発症率
実は、ナルコレプシーの発症率はそれほど高くありません。
日本人は比較的発症率が高いのですが、それでも600人に1人程度。
世界的に見ると、1000人-2000人に1人程度とのことです。
確率にすると、わずか人口の0.1666…%
かなり珍しい病気であるということを、まず念頭に入れておきましょう。
症状①「昼間の眠気」について
ナルコレプシーの最大の特徴でありやっかいな症状、昼間の眠気についてです。
昼間の眠気というのは、人間誰もが経験しているものですがナルコレプシーのそれは通常のものとはわけが違います。
ナルコレプシー患者が感じる眠気の強さは「健康な人が2日間全く眠らずに起きていたその後の眠気」に相当する、といわれています。
さらに、前日十分に睡眠をとっていたとしても、これだけの眠気に襲われることがあるようです。
このようなことが毎日起こり、それが1ヶ月以上続きます。
その他症状「情動脱力発作」「入眠時幻覚」「睡眠麻痺(金縛り)」について
これら3つもナルコレプシーの症状なのですが、
昼間の眠気と違い、これらを発症しないナルコレプシー患者もいます。
なので、「情動脱力発作がないからナルコレプシーではない」とは言い切れないのです。
また、入視時幻覚で見る夢は悪夢が多く非常にリアルで、さらに金縛りと併発することが多いためか、
それを心霊現象と捉え、「自分は霊感が強いのだ」という解釈に至ってしまいがちなのですが、
その前に、ナルコレプシーを疑いましょう。
健康な人では金縛りは10年に1度起こるか、くらいのものだそうです。
週に何回もなど、明らかに回数が多い場合は要注意です。
それ、他の睡眠障害かも?
ここまで読んで「全然ナルコレプシーじゃなかった!」という方も、
昼間強い眠気を感じているのであれば、その原因を突き止める必要がありますので、
いくつか、考えられ得るパターンを紹介します。
1、睡眠時無呼吸症候群
読んで字のごとく、「睡眠してるときに呼吸が止まってしまう」病気です。
十分な時間寝た場合でも、著しく睡眠の質が低下してしまうため、
結果寝不足になり、昼間眠くなってしまうというパターンです。
夜中にいびきがひどいひとは特に要注意です。
参考:キャリーフィッシャーの死は、過小評価された健康問題 – 睡眠時無呼吸
2、概日リズム睡眠障害
概日リズム睡眠障害とは、自らの睡眠サイクルと、社会生活に必要な睡眠サイクルにズレが生じ、
日常生活に何らかの支障をきたす症状の総称です。
長期休暇などで夜更かしをして、昼間まで寝ているという生活を続けたりすると、
概日リズム睡眠障害になってしまいます。
これにより、夜に眠れなくなった状態のまま、
朝が早い生活をしようとすると、睡眠不足により昼間眠くなってしまいます。
3、ロングスリーパー
実は人間に必要な睡眠時間は、遺伝子によって生まれつき決まっています。
ほとんどの人が7-8時間を必要とするミドルスリーパーですが、
6時間以下の睡眠で十分というショートスリーパー(エジソン、ナポレオンなど)と、
逆に10時間以上の睡眠が必要というロングスリーパー(アインシュタインなど)が、それぞれ5-10%くらいの割合で存在します。
5-10%といえばなかなかの確率ですので、
あなたがもしロングスリーパーで、それに気づいておらず、
「毎日8時間寝ているから寝不足ではない」と思っている場合、
あなたにとってそれは「寝不足」です。
昼間の眠気の原因も、そこにあるのかもしれません。